- シニア情報生活アドバイザーマガジン
- (第109号−2013年8月29日)
発行:一般財団法人ニューメディア開発協会
シニア情報生活アドバイザー事務局
残暑、お見舞い申し上げます。
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□ <目次>
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[トピックス]
●福島シニアネットの仮設住宅でのパソコン教育がNHKで放映
●「iPadで水彩画 ArtRageガイドブック」をAmazonから電子出版!
[スキルアップ講座]
●私たちの身近で行われている情報収集活動
メロウ・マイスター 臼倉 登貴雄
[参考情報・資料]
●無料で使える不正送金対策ソフト「PhishWall(フィッシュウォール)」
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□ トピックス
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●福島シニアネットの仮設住宅でのパソコン教育がNHKで放映
東日本大震災以来、地元福島で被災されました方へのパソコン支援活動をされて
いる福島シニアネット阿部が浪江町避難仮設住宅で実施したパソコン教室が、NH
K他民放でニュース紹介されましたのでご覧ください。
http://youtu.be/65JR-9sejHk
●「iPadで水彩画 ArtRageガイドブック」をAmazonから電子出版!
シニアSOHO横浜・神奈川の大熊勇雄さんが「iPadで水彩画 ArtRageガイドブ
ック」をAmazonから電子出版されました。
電子出版は、出版がし易いという点で、今後はかなり普及してくると思われます。
今後、出版を考えられている方は参考にしてください。
「iPadで水彩画 ArtRageガイドブック」 定価300円
http://www.amazon.co.jp/dp/B00E1BJSYI
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□ スキルアップ講座
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●私たちの身近で行われている情報収集活動
メロウ・マイスター 臼倉 登貴雄
アメリカの大規模な情報監視活動の実態が、NSA(国家安全保障局)の元職員
スノーデン氏の告発によって明らかにされつつあります。
一般市民の個人情報が、世界中から大規模に収集されていたのです。
もちろん、日本もそのターゲットになっていました。
私たちが日常的に使用しているコミュニケーション・ツールやクラウド、ネット
サービスなどからも情報収集していたらしいとの報道もありました。
このような国家による情報収集活動は、アメリカだけではなく、多くの国でも行
われていることが明らかになりつつあります。
今回は、不正アクセスによる個人情報の流失ではなく、合法的に私たちの身近で
行われている情報収集活動について紹介します。
行動ターケティング広告というのをご存知でしょうか。
行動ターゲティング広告とは、サイト閲覧情報等をもとに閲覧者の興味・関心に
あわせた広告を配信する広告手法のことです。
分かり易いのは、yahoo、楽天、Amazon、価格.comや新聞社のサイトなどを使
用したときに表示される広告が、最近チェックしたサイトの関連のものであったり、
過去に購入した商品であったりしたことがありませんか。
この現象は、Webサイトの閲覧履歴が収集され、分析されて、広告が送り込まれ
ているということなのです。
詳しくは下記のサイト(wikipedia)を参照してください。
http://bit.ly/14CzBvL (短縮URL)
また、ページによっては、facebookの友だちやtwitterでフォローしている人が表
示されることに気が付いていませんか。
これらも、閲覧履歴やfacebookなどの情報を収集しているから表示できることな
のです。
どのような仕組かというと、Webページの閲覧と同時に収集用のデータファイ
ルをクッキーに送り、サイト利用者に識別番号を付与し、サイト訪問履歴情報を自
動的に収集しているのです。
この行動ターゲティング広告を無効化するには、本人が各サイト別に掲載されて
いるページから記載されている手順に従って無効化しなくてはなりません。
例えば、yahooですと下記のページに「無効化」があります。
http://btoptout.yahoo.co.jp/optout/preferences.html
※複数のブラウザを使用している場合は、各ブラウザ毎に「無効化」する必要が
あります。
※複数のパソコンを使用している場合は、各パソコン毎に「無効化」する必要が
あります。
クッキーを受け入れない設定にしたり、保存されたクッキーを削除したりすると
どうなるのか。
下記に、朝日新聞の「クッキー管理の設定・削除について」がありますので参考
にしてください。
「クッキーを受け入れない設定にしたり、保存されたクッキーを削除したりして
も、サイト内の閲覧には支障はありませんが、ページのカスタマイズ機能やクッキ
ーが必要な会員向けサービスはご利用できなくなります。広告配信のクッキーを受
け入れない場合には、繰り返し同じ広告が画面上に現れたり、画面上を移動する広
告が何回も出たりすることがあります。自社サイトでは、クッキーを受け入れる設
定でご覧いただくことでサービスを有効に活用していただけます。」
詳細は下記を参照してください。
http://www.asahi.com/policy/cookie.html
次に、行動ターゲティング広告の最先端を行っていると言われている「facebook」
は、下記のように説明しています。
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クッキーやピクセルなどを使用して、広告を把握および配信し、広告がユーザー
により関連付けられるようにします。
たとえば、クッキーを読み込んで、Facebookまたは他のウェブサイト上でユーザ
ーの関心が高そうな広告を表示できます。また、クッキーを使用して、Facebook上
の広告を見たユーザーが後で広告主のサイトにアクセスしたかどうかを確認できま
す。同様に、弊社のパートナーは、クッキーや類似技術を使用して、Facebook広告
が表示されたか、そのパフォーマンスはどうかなどを判断し、ユーザーとの交流に
関する情報を弊社に提供することがあります。また、弊社はパートナーと共同で、
パートナーのサイトまたはアプリを利用した後などにFacebook上または他の場所で
ユーザーに広告を表示することがあり、その際に、クッキーやお使いの機器上のロ
ーカルストレージ、類似技術が使用されることがあります。
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一口で言えば、パートナー(広告主)のためには、あらゆる技術を酷使して、ユ
ーザーの情報を把握して、その情報を提供するということです。
この他、友だち情報の収集や友だちの行動を監視し表示(友だちが見ているサイ
トの紹介や「いいね」など)させることなども可能になっているのです。
もっと多くの情報を収集しているのですが、紹介は省略します。詳しくは、下記
を参照してください。
https://www.facebook.com/help/360595310676682/
行動ターゲティング広告は、別の見方をすると、閲覧者の興味・関心にあわせた
広告を配信させられるだけではなく、さまざまな情報の収集によって提供される情
報は、我々を知らず知らずのうちに「マインドコントロール」されているのではな
いかとも思ってしまいます。
また、納得して使用しているサービスではあるが、ユーザの個人情報も公開され
ているということも知っておくべきです。そして、ブロックの仕方などの知識を持
つことも必要だということです。
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広告モジュールを組み込んだAndroidアプリ
アプリが、なぜ、無料や安価で提供されているのか。
アプリに、広告モジュールを組み、そこから得た情報をもとに広告を配信し、広
告で収益をあげようという狙いもあるからです。
この広告モジュールの多くは不正なものではないが、中には悪質な広告モジュー
ルが紛れ込んでいることもあると言われています。
詳しくは、下記のページを参考にしてください。
「Androidアプリの広告に潜むパーミッションの罠」
http://news.livedoor.com/article/detail/6183879/
このページの説明の中で、アプリ自体に問題がなくても、広告モジュールに悪意
がある場合はどうでしょうか、と、問いかけています。
私たちユーザには、見極める方法か無いのが実態です。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
実は、もっと怖いものに、DPI(ディープ・パケット・インスペクション)を
利用した行動ターゲティング広告というものがあります。
DPIとは、簡単にいえばプロバイダ側でパケットを盗聴して、どんな通信が行
われているかを検査・記録する仕組みです。
DPIについての説明は省略しますが、下記に総務省の研究会の報告の一部を紹
介します。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban08_000039.html
「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」報告
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6.ディープ・パケット・インスペクション技術
(DPI 技術:DeepPacket Inspection)を活用した行動ターゲティング広告に
ついて
(1)DPI 技術を利用した行動ターゲティング広告の態様
DPI 技術を活用した行動ターゲティング広告は、通信プロバイダ(ISP)が、ネッ
トワークを通過するパケットを解析して利用者の興味・嗜好を分析し、これにマッ
チした広告を利用者に配信するものである。
一般に、DPI 技術とはネットワークを通過するパケットのヘッダ情報やペイロー
ド情報を解析し、通信の特徴や振舞いを分析する技術を指している。
従来、DPI 技術は、帯域制御のための要素技術として利用されてきたが、現在、
ファイアウォールでは防ぎきれないインターネット上の脅威に対する防衛手段のた
めの要素技術として、より洗練された行動ターゲティング広告のための要素技術と
して、先進的な利用が検討されており、今後の展開が期待される技術である。
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公にされている情報収集技術は、これ以外にもあると思われます。
特に、情報機関は我々の知らない、もっと高度な技術を酷使して、あらゆる情報
を世界中から収集しているものと思われます。
以上
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□ 参考情報・資料
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●無料で使える不正送金対策ソフト「PhishWall(フィッシュウォール)」
「PhishWall」は、「MITB(マン・イン・ザ・ブラウザ)攻撃」対策機能を持つソフ
トです。
多くの金融機関が採用しています。オンラインバンキングを利用している方は、
是非、インストールしてください。
※「MITB攻撃」とは、パソコンをウイルスに感染させて、正規サイトにアクセス
中のブラウザに不正な画面を表示させるもので、通常のセキュリティ対策ソフトで
は、検知がしにくい攻撃のことです。
下記よりダウンロードできます。
http://www.securebrain.co.jp/