- シニア情報生活アドバイザーマガジン
- (第225号−2023年04月28日)
発行:一般財団法人ニューメディア開発協会
シニア情報生活アドバイザー事務局
「マスクの着用」につきましては「個人の判断」となりましたが、コロナ自体
は収束しておらず、高齢者へのリスクは依然高く基本的な感染対策は重要です。
今後も不要不急の外出を自粛し、感染しない、感染させない取り組みとして
「人と人との距離の確保」「混雑場所でのマスクの着用」などの基本的な感染防止
対策に加え、共同で使う物品などは消毒を行い、こめな手洗いを徹底し、そして、
「密閉」、「密集」、「密接」を避ける行動を継続しましょう。
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□ <目次>
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[トピックス]
●今年度の「シニア情報生活アドバイザー更新手続き」開始中
●令和5年度総務省「デジタル活用支援事業実施団体」公募開始
●シニア情報生活アドバイザー認定登録更新講座テキスト頒布のご案内
[スキルアップ講座]
●フェイクニュース(偽・嘘・デマ情報)に注意
−−− メロウ・マイスター 臼倉登貴雄 −−−
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□ トピックス
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●今年度の「シニア情報生活アドバイザー更新手続き」開始中です
前月号でもお伝えしましたように、今年度の「シニア情報生活アドバイザー更新
手続き」(有効期間令和5年3月31日)が開始されています。
すでにかなりの団体が更新中であり、今年度対象となる方には、前回受講された
団体から近日に通知が届いたと思いますが、万一ご連絡のなかった方は団体または
当協会にお問合せください。メール変更等でお知らせが届いていない場合がありま
す。
なお、前回個人で更新された方、前回更新された団体が無くなってしまった方に
には当協より直接「個人登録」のご案内いたしております。お困りの方は、当協会
事務局にご相談下さい。
3月を過ぎましても、規定により今年度の更新講座が各団体が実施されるまでは
3月を過ぎましても有効ですのでご安心ください。一応は6月末までにお手続きを
お願いします。
また昨年度と同じように、コロナ蔓延対応として、昨年度未更新(有効期間令和
5年3月31日)で有った方で、未更新で有った方にも再度更新の対象といたしま
す(ただし更新期間は2年)。
●令和5年度総務省「デジタル活用支援事業実施団体」公募がでました
すでに、速報として「シニアネット交流広場」には掲載いたしましたが、令和5
年度の総務省「デジタル活用支援事業実施団体」公募が掲載されました。
公募要領、申請書等は下記のサイトをご覧ください。
https://www.digi-katsu.go.jp/group#start_of_public_offering
今後のスケジュールは以下の通り。
・申請書提出:5/16(火)から5/26(金)
・質問受付期間:4/21(金)から5/23(火)
・内示:6月中旬
・決定:6月下旬
昨年度と比べると
1)1団体最大140万円
2)申請団体は「納税者番号」が必要。インボイス制度と関連の為と思われます。
3)派遣団体を公募(個人ではなく)
ご質問は直接執行団体のデロイト・トーマツにお願いいたします。
●シニア情報生活アドバイザー認定登録更新講座テキスト頒布のご案内
先月号でもお知らせいたしましたが、シニア情報生活アドバイザー認定登録更新
講座テキストについては、その年の更新対象者方以外の多くの方にもご希望により
配布いしております。おかげさまで多くの方よりご注文をいただいております。
今年度はやや多めに作成しましたので、ご希望の方はどなたでも結構ですので必
要部数と送付先を明記して当協会事務局までお申し込み下さい。
送料を含めて1部800円です。
Windows10、Windows11のアップデート機能の説明、具体的なオンラインによる
「シニア情報生活アドバイザー養成講座」、「スマホ・タブレットマスター養成講
座」の進め方、Zoomによる講義方法等が掲載されていますので大変皆様のお役に立
っと思います。コロナが下火になっても、これからはオンライン講習がかなり必要
になると思われます。
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□ スキルアップ講座
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●フェイクニュース(偽・嘘・デマ情報)に注意
−−− メロウ・マイスター 臼倉登貴雄 −−−
SNSが急速に普及されたことにより、偽・嘘・デマ情報も簡単に拡散されるようになりました。
注意しないと、トラブルを起こしたり、トラブルに巻き込まることにもなります。
もし、誤って拡散したりすると、損害賠償を求められたり犯罪にもなってしまい
ます。
今号では、3月に総務省が行ったセミナー「インターネットとの向き合い方 ?
ニセ・誤情報に騙されないために?」を参考にして掲載します。
セミナーでは下記の内容について紹介されました。
PART 1「ニセ・誤情報」ってなに?
PART 2 私たちはなぜ騙されるのか?
PART 3 騙されたらどうなる?
PART 4 騙されないためには?
PART 5 最後に大切なことを
PART 1「ニセ・誤情報」ってなに?
種類は2つ
「ニセ情報(ディスインフォメーション)」と「誤情報(ミスインフォメーショ
ン)」
★「ニセ情報(ディスインフォメーション)」とは?
意図的/意識的に作られたウソ。虚偽の情報。
具体例:ニセ情報が起こした銃撃事件 「ピザゲート事件」
2016年、米国ワシントンD.Cのピザ店に男が押し入り、ライフル銃を発射する事
件がありました。
この男は、『ピザ店で人身売買と児童買春が起きている』というネットの投稿を
もとに、「囚われた子供達救う為やった」供述しまたが、ネットの投稿はすべてニ
セ情報でした。
当時は大統領選挙の期間中で、ある共和党支持者が「民主党議員と支持者がピザ
店で人身売買をしている」というデマを意図的に流し、それが広まったのです。
のちに「ピザゲート」と呼ばれるこ事件、米国内には未だ、このニセ情報を信じ
ている人がます。
★「誤情報(ミスインフォメーション)」とは?
勘違い/誤解により拡散した間違い情報
具体例:世界で拡散「新型コロナの誤ったセルフチェック」
コロナ禍の2020年4月。
「深く息を吸って10秒我慢できれば新型コロナに感染していない」という誤った
セルフチェックが、メッセージアプリでチェーンメール形式て広がりました。
なんと、ある県警の公式アカウントも、この誤った情報を投稿してしまいました。
これは世界で広まった誤情報で、WHOも代表的な誤情報の一つとして注意喚起
しています。
「ニセ・誤情報」ではないけどさらにもう一つ、害をなす情報
★「悪意ある情報(マルインフォメーション)」とは?
情報自体は正しいが、誰か(何か)を攻撃したり誤解させる狙いのある情報
具体例:例え事実でも「悪意ある情報」の扱いは慎重に!
ネット炎上で、渦中の人物の「個人情報」が拡散されることがあります。
最近は「暴露系」のYouTube も話題ですが、いすれも「悪意ある情報」の拡散で
す。
元の情報の文脈を意図的に変えたものや、リべンジボルノも悪意ある情報です。
例えその内容が事実でも、「悪意ある情報」で相手に損害を与えると、民事上の
責任を求められることがあります。
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偽・嘘・デマ情報を投稿しないのはもちろん、拡散にも注意しましよう。
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※最近の例では、○○○○のお店でコロナ感染者が出たというデマが流れたこと
によりお店に被害を及ぼしたことが挙げられます。
総務省のサイトの特集ページには「ネットの時代におけるデマやフェイクニュー
ス等の不確かな情報」に「ネット上には、人を混乱させるためにわざと流されたデ
マ情報も。
身近な医療・健康情報、うわさ話やゴシップネタなどにも、間違った情報があり
ます!」と掲載されています。
※「フェイクニュース」とは、偽・嘘・デマ情報のことをという意味の言葉とし
て使われていますが、定義がまだ決まっていない曖昧言葉であるとも言われていま
す。
掲載サイト:
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/fakenews/
※フェイクニュースは、政治的なものもあれば、私たちの生活を混乱させるよう
なものもあります。
※例えば、2016年の熊本地震では、動物園からライオンが逃げたという投稿が
SNSでなされました。投稿は瞬く間に拡散され、地域の人々は動揺し、動物園に
は電話が殺到して混乱をもたらしました。しかしこれは全くのうそで、投稿者は
悪ふざけで投稿しただけだったのです。
また、同サイトには「どのようなメディアでも、間違った情報が流布されること
はあり得ます。特にSNSの場合、誰もが容易に情報発信できることから、正しく
ない情報もたくさんあります。
中には、騒ぎを起こすことが目的で発信されたデマも。
目にした情報をうのみにせず、正確性が判断できない場合には安易に情報を投稿
・拡散しないことが大切です。」とも掲載しています。
PART 2 私たちはなぜ騙されるのか?
例えば、同じ商品の価格が表示されています。
・Aの表示→特価品5,980円
・Bの表示→15,000円が値下げして5,980円
あなたが、気になるのはAとB、どっち?
例えば、同じ光景を見ているのに、なぜ?
野球で攻撃側が打ったファウルギリギリの打球に対して
・攻撃側はホームランだとみなす
・守備側はファウルだとみなす
立場によって判断が違ってきます。
これは、心理現象「認知バイアス」のせいで違って来るのです。
人は、自分の願望や経験、思い込み、周囲の環境によって、無意識のうちに合理
的ではない行動、偏った判断をすることがあります。
「認知バイアス」と呼ばれるこの現象は、私たちの生活の様々な場面で起きてい
ます。
この現象を別の言葉で表現すると・・・?
「人は信じたいものを選ぶ」傾向にあると言うことです。
「言いたくなる情報」「意外性」「誰も知らない」「願望・希望」「その人の正
義感に訴えるもの」なのです。
これらは多くの「ニセ・誤情報」が持っている要素なのです。
例えば、コロナ禍には・・・
「願望・希望」コロナは風邪、「意外性」ワクチンで5G接続、「誰も知らない」
コロナは大企業の陰謀、「人に言いたくなる情報」○秒息を止められたらコロナじ
ゃない、「その人の正義感に訴えるもの」○○が感染を広めてる!許せない!
「ニセ・誤情報」には、誰かに教えたい要素「人に言いたくなる情報」「意外性」
「誰も知らない」があります。また、感情に訴える要素には「願望・希望」「その
人の正義感に訴えるもの」があるため、共感・拡散されやすいのです。
例:こんな情報、拡散していませんか?
「誰かに教えたい要素」
これは出回っていない情報です!大切な人に共有してください!
「感情に訴える要素」
こんなこと許せません!同じ被害がないよう拡散してください!
★「ニセ・誤情報」への対応の実態
「ニセ・誤情報」に気付かない人−75%
そのうち、「ニセ・誤情報」を拡散する人−25%
「ニセ・誤情報」の拡散スピード−「真実・事実」の6倍
★「ニセ・誤情報」に気付かない人は
「フィルターバブル」に陥っている可能性も・・・
ネットニュース、SNS、検索サービスなどには、その人が欲しがりそうな情報
を分析し同じような情報を表示する「アルゴリズム」と呼ばれる機能があります。
「アルゴリズム」による偏った情報に囲まれると、あたかもそれが世の中の標準
だと誤解してしまう「フィルターバブル」という現象に陥ります。
「フィルターバブル」は気付けない!
アルゴリズムは考え方、嗜好を分析し、その人が心地よいと感じる情報ばかり洪
水のように流し込んできます。
その結果、「物事を極端にとらえ、狭い視野で考える人」となっていきます。
そしてさらに心地よい情報ばかり読むことになり...。
もちろん本人はそれに気が付いていません。
そんな状況に「ニセ・誤情報」が入り込めば...何が起きるか分かりますよね?
★見抜くのが難しい!「ディープフェイク」動画
顔を入れ替えた動画をアプリなどで簡単に作れる時代
AIで作られたディープフェイク動画は声や話し方まで捏造できる
※昨年11月に発表した対話型生成系AI「ChatGPT(チャットGPT)」は文章で質問
すれば、情報を整理して伝えるばかりか、翻訳や小説のプロット作成、英会話の相
手やプログラムコードの作成なども行い、高精度かつ汎用(はんよう)性が高いこ
とに関心が寄せられました。現在は登録すれば無料で利用できることから、発表後
2カ月で1億ユーザーを達成しています。
※今話題の対話型AIツールは、質問や命令などをテキストで入力すると、それに
応じた答えを返してくれる便利さゆえに様々な業界やビジネスの場面で活用されて
いる反面、悪用の危険性やリスクについても指摘され始めています。
※私のディスクトップには、先週、突然「対話型AIツール:AIとチャット」の検
索ボックスが表示されるようになりました。
★ディープフェイクの危険性
政治家のディープフェイク動画を作り、嘘の演説をさせることで社会を混乱させ
ることも可能です。
証拠動画の捏造も起こりうるので、犯罪捜査や裁判などに影響が及ぶ可能性があ
ります。
★私たちが騙されてしまう理由
理由1:人は信じたいものを選んでしまう
理由2:ニセ・誤情報には信じたくなる要素がたくさんある
理由3:ニセ・誤情報には人に教えたくなる要素がある
理由4:ニセ・誤情報には誰でも騙される
理由5:ニセ・誤情報はすばやく拡散してしまう
理由6:ネットのアルゴリズムやディープフェイクがニセ・誤情報を加速させてい
る
今号での紹介は、ここまでといたします。
参考にしてください。
続きは、次号で紹介します。
記:臼倉
tokio@usukura.com
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シニア情報生活アドバイザー活動支援ページ
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